2018年4月6日金曜日

家計が十分に黒字で、ある程度以上の貯蓄のある人だけが、ようやくiDeCoに手を出すべきだ

山あり谷あり

「リボ払いをする人」と結婚してはいけない(東洋経済オンライン)

インデックス投資界隈ではおなじみ(?)、山崎元氏によるコラムである
新社会人へ向けたアドバイスとして、「リボ払いはするな」「保険には入るな」「確定拠出年金は最大限使え」「貯金しろ」という事を挙げており、言い草はちょっと極端だがまぁ概ね同意だ

だけど、確定拠出年金(iDeCo)だけは、ウカツに新社会人へ勧めるべきじゃないと思うのでメモしておく





確かに節税メリットは魅力的だが、どうせ新入社員の節税額なんて高が知れているので、それよりも不測のリスクに備えたほうがいい
家計が十分に黒字で、ある程度以上の貯蓄のある人だけが、ようやくiDeCoに手を出すべきだ


ご存知のようにiDeCoには60歳まで引き出せないという制約があり、これは結構なデメリットだ
だから「保有資産の大半がiDeCo」みたいな状態は、ほとんど貯蓄ゼロと同じ意味であり、非常に危険である
何かあったとき、例えば仕事を辞めたり病気したりといった場合に、自由に使えないお金を持っていても意味がない

新社会人の大半は、おそらく貯金なんてほとんど無いだろうから、できれば現金で、ある程度の資産を築き上げる事から始めてほしい

当然、貯蓄をするためには家計の黒字化が前提であるから、まずはそこから手を付けるべきだろう


就職を機に生活環境が変わる人が多いだろうから、実際の手取り収入に対してどの程度の出費があったのか、最初の数ヶ月だけでいいので大雑把に把握しておくといい
これが赤字だったらお話にならない
急いで生活態度を見直そう

自分の生活スケールがおおよそ把握できたら、ある一定の金額を決めて、毎月これを貯金するようにしたい
こうしておくと、昇給した時にも安易に生活レベルを上げず、毎月の貯蓄金額をアップできる
「残ったら貯める」方式で貯蓄ができるのは、仙人か実家ぐらしくらいだ
ボーナスが出る場合は、まぁ少なくとも半分以上は貯蓄に回せるといい


こうして2~4年も経てば、それなりの金額が貯まっている事だろう
最低でも100万円くらい、できれば年収と同額くらいは欲しいところだ

そうなってからようやく、毎月の貯蓄額のうち、半分くらいを使ってiDeCoに投資するといい
iDeCoの上限は普通のサラリーマンで2.3万円だから、この時点で毎月4~5万円くらい貯金できる体質になっていると理想的だ

残りはそのまま現金で貯め続けてもいいし、何らかの投資に手を出してみてもいいだろう
何にせよ、黒字体質で、貯蓄のある事が前提だ


というような事を、新社会人からアドバイスを求められたら(たぶん一生ないが)、私なら言うだろう
でも若者の多くは年上の言うことを聞かない生き物なので、言うだけ無駄かも知れない
私もきっと、20歳の頃に30歳のオッサンから上記のような話をされたら、たぶんハイハイ言いながら聞き流すことだろう

自分の子どもだって、きっと親のアドバイスなんて聞く耳持たないだろう
それでも一応言っておくのが親の仕事だし、聞く聞かないは子どもの自由だ

若いうちは貯蓄なんてしないで、遊びとか自己投資にお金を使うべきだという主張もある
あるいは一生涯、貯蓄ゼロでも意外とどうにかなる、と言う人もいる
別にそれならそれでもいい


成人年齢も18歳になる事だし、それ以上の歳になったら、自身の自由と責任において好きな物を選択すればよい
そこから先は親の知ったことではない
可能な限りの助言と手助けはするが、限度がある
親には親の人生があるのだ


余談

山崎氏のコラムは読みすぎて、最近ではライター名をチェックしなくても氏が書いた文章だと気がつくようになってしまった
下手したらタイトルでもう分かる
文体が多少特徴的なのと、主張が一貫していてブレないからだろう(悪く言えば、毎回同じ様な内容だ)

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